面会交流の記録

面会交流の記録 第3回|娘とデパート屋上の乗り物で遊んだ日

2019年5月

本日は、3回目の面会交流だ。

当初の予定では、2月に行われる予定だった。
だが、私の仕事の都合でどうしても面会する時間を確保できなかった。

 

元々の約束では、面会は慣れるまで3ヵ月毎という約束だ。
だが、娘の居住地が福岡ということもあり、東京からすぐに会いに行ける距離ではない。

 

娘の成長を見ることは楽しみだ。
だが、仕事との兼ね合いとなると現実的には難しい部分。

 

仕方なく、2月の面会はスキップとなった。

 

≪オススメ≫
ヤマトの離婚調停体験記

※サイト内移動します

 

そして、5月はあっという間にやってきた。

 

面会交流当日

現在、面会交流の連絡や実施時に娘を連れて来るのは、元妻の両親だ。
今回の交流場所の調整は、1週間前に時間・場所の確認でメッセージをした。

 

そして、当日朝にも確認のメッセージを送った。
返事は2時間後に来た。

 

義父
「良い面会交流となることを願っています。東京都とは違い、本日は気温は高くありませんのでお気を付けて下さい。」

 

見た瞬間、戸惑ってしまった。
私を気遣う内容が含まれている。

 

元妻とその両親は、今も私を恨んでいるはずだ。

 

私と妻の離婚のきっかけは言い争いだ。

育児と仕事に追われた元妻が、私に日々強く当たっていた。
そんな日が続いたある日、私は強く言い返した。
それがきっかけで、妻は娘を連れて家を出て行った。
離婚調停物語 第1話 参照

 

原因や状況がどうであれ、親としては大事な娘を責めた夫(私)のことは憎くて仕方ないだろう。時代が違えば、報復にあっていてもおかしくはない。

 

しかし離婚成立後、面会交流には積極的に応じてくれている。

 

私を完全に許したわけではないだろう。
面会交流は娘のためになると割り切っているのだろう。

 

そう考えると、このメッセージの意図は明確だ。

「お気を付けて下さい」とあるが、私への気遣いが目的ではない。

義両親は私との関係を良好にしておくことで、良好な面会交流となることを目指しているのだろう。

 

例え表面上の気遣いでも、良好な関係を維持することは良いことだ。
面会交流が娘のためになるはずという気持ちは私と一緒か。

 

私は、このメッセージを眺めてうれしくなった。

 

今日の面会交流も頑張ろう。
全ては、娘のために。

 


 

昼過ぎに福岡に到着。
昼食を食べた後、喫茶店で心の整理をする。

 

娘はもうすぐ4歳になる。
4歳児は、言葉や行動がどこまでできるのだろうか。

 

数日前からネットで調べてはいた。
交流を少しでもスムーズにするためだ。

 

もう会話はできるだろう。
言葉はそれなりに理解ができ、そして自分の意見もきちんと話せる。

 

自分の足で立派に歩ける。
もちろん、走りまわることもできる。

 

しかし、私は普段は4歳の子供を近くで見る機会などない。
実際に、娘がどこまでできるのかなど分からない。

 

4歳児の成長度合いを事前に考えても無駄かもしれない。
こればかりは、実際に接しながら考えるしかないか。

 

時間になったので、待ち合わせ場所に向かう。
場所は、昨年5月に初回の面会交流したデパートの屋上だ。
遊びのスペースの他に、乗り物の遊戯なども豊富だ。

 

私が面会場所に到着すると、義父がいた。
近くに義母と娘はいない。

 

義父と挨拶をした。
今日も笑顔だ。
良い面会交流となりそうだ。

 

娘は、直前にトイレに行っているらしい。
私と会うということで緊張したそうだ。

 

まぁ、当然だろう。
普段会うことが無い人(私)に会うのだ。
成長して状況が分かっているからこその反応だろう。

 

ただ、実の父と会うのに緊張する娘。
そのような状況にしている自分がもどかしい。

 

義父は続けて言った。
少し話があるという。
真面目な表情だ。

 

義父
「最近、パパという言葉を発する機会が増えてきているのです。
そして今の状況を、なんとなく理解してきている様なのです。

この状況で、私たちは父親の事をどこまで話せばいいのか悩んでいます。
今日も父親に会うと言えば良かったのですが、それなら娘の中で『なぜ一緒に住まないのか』という疑問が湧くはずです」

 

ヤマト
「なるほど。
ただ単に、面会交流で会った際に楽しければ良い、というものではなくなってきているのですか」

 

義父
「はい。
3年前、あなたに強く言われてた娘(元妻)は、ハル(娘)と共に福岡に逃げ帰ってきました。
娘はどうしても、父は憎い、母はかわいそう、という感情を持つでしょう。
これは、私たちがどう言おうと、自然と持ってしまう感情だと思います」

 

ヤマトの心の中
(おいおい。
その発言、今この場で言うような表現か!?)

 

私は、一瞬固まってしまった。

 

別居のきっかけは双方の言い争いだ。
それを、逃げ帰ったとか、父が憎い・母がかわいそうとは、まるで私が一方的に悪いみたいな言い方だ。

 

ただ、義両親の気持ちは分からないでもない。
親たるもの、どうしても実の子(元妻)の肩を持つものだ。

 

だが、それをこの場でその様な表現で言うのはどうなのか。
逃げ帰るとか、夫が憎い・妻が悪いという発言は、私との亀裂を生じさせ得るだけでは。
それによって面会交流が途切れれば、一番の被害者は娘だ。

 

義両親は、面会交流を積極的に行うなど、子供の成長を想う気持ちを持っている。

 

この日のメッセージでは、「お気を付けて下さい」と送ってきた。
私と会った際も、笑顔で挨拶してきた。

 

義父からは、、面会交流を行おうという気持ちは十分感じ取っている。
決して、夫(私)に合わせたくないという行動は出してはいない。

 

その義父が、この様な発言をするのは想定外だ。

 

何か意図があるのか。
それとも、感情が抑えられなかったのか。

 

しかし、私が取るべき行動は一つだ。

決して言い返さないことだ。

反論したところで、何も生まない。
ここは、意図的に聞き流すんだ。

 

元妻側と同様に、私も言いたいことはある。
だが、ここで議論しても平行線をたどることは目に見えている。

 

むしろ、下手に議論をすると今後の面会交流を行う上でしこりが残る。
夫側と妻側がいがみ合った関係では、良い面会交流など期待できない。

 

そう考えると、ここで言い返しても良いことなど何もない。
今後の良好な面会交流のためにも、ここは受け流すべきだ。
この問題は、あえて棚上げし続けることが最大の対処法だ。

 

私は、無表情で義父の言葉を聞いていた。
義父が、私の考えを感じ取ったかどうか分からない。

 

義父の話はさらに続いた。

 

義父
「ただ、ハル(娘)に両親の離婚という現実を説明するにはまだ早いでしょう。
まだ4歳です。この年齢で、きちんと理解できるとは思いません。

いつかは説明することになると思いますが、問題はそれまでの間、どのように話すべきか。
私も、子供の心というか児童心理学などは分かりませんので、どうすべきか悩んでいるのです。

ヤマトさんも、考えてみていただけませんか」

 

ヤマトの心の中
(よかった。
義父も、根本の考えは私と一緒だ)

 

最後の発言は、娘の成長を一番に考えてなければ出てこない言葉だろう。
そして、私のことをある程度信頼しているので、相談をしてきたのだ。

 

直前の発言で少しやきもきしたが、根本の考えさえ共有されていれば問題ない。

 

義父と話をしていると、娘が義母に連れられて現れた。
半年前よりもしっかりとした足取りだ。

 

私と目が合うと、一歩後ずさりした。
そして、義母の手を強く握った。

 

とっさに、義両親が娘をなだめる。
同時に「普段から人見知りが激しい子なのです」と義母がフォローする。

 

まぁ、子供にとっては当然の反応だ。
普段合わないおじさん(私)と会ったのだ。
戸惑わない訳が無い。
私が幼いころも、同じような反応をしていただろう。

 

だが、そんな時こそ父親としての対応が重要だ。
娘にしっかりと話しかけよう。
例えこちらを向いて無くとも、何度も話かけるのだ。

 

言葉は聞こえているはずだ。
娘が笑うまで話しかけるのが私の役割だ。
たとえ、何分かかろうとも。

 

近くのベンチに義母、娘、私、義父の順で座る。
娘は相変わらず義母に抱き付いている。

 

義母は、そんな娘の手を掴みながら、最近の娘の行動を話してくれた。

 

きちんと片付けなどをするおりこうさん。
食べ物は箸を使って食べようと頑張っている。
ただ、少し人見知りする正確。
特に、男の人に対しては。

 

普段の娘の状況を話してくれるのはうれしい。
その話を聞くだけで、なんとなく普段の状況をイメージできる。
そして、私と共有することに積極的なのも、良好な面会交流を続けていく上でプラスだ。

 

私は、義母と話しながら娘にも話しかける。

 

ヤマト
「もうすぐ誕生日だよね。何歳になるの?」
「ハルちゃん、保育園は楽しいですか?」

 

相変わらず、娘の反応は乏しい。
時折こっちを見るが、すぐに目を反らす。

 

そんな時だ。
義母が娘に言った一言で、娘に笑顔が生まれた。

 

義母
「ハルちゃん。乗り物に乗りましょうか?
あそこに、アンパンマンの乗り物がありますよ」

 

娘はアンパンマンが大好きなようだ。
この日履いている靴にも、アンパンマンの絵が描いてある。
娘は乗り物の方を向いて笑顔になった。

 

義母が娘の手を取って、アンパンマンの乗り物まで誘導する。
娘は、笑顔で乗り物まで歩く。
私と義父が後を付いていく。

 

アンパンマンの乗り物までくると、娘は喜んで乗り込んだ。
それまで娘の手を繋いでいた義母は、一歩下がって義父と見守る。

 

私が娘と交流する時間をスムーズに作ってくれたのだ。
ここからは、私が娘の心を開く番だ。

 

100円を機械に入れて、娘に遊び方を説明する。
音楽が始まって乗り物が動きだす。
私は娘の手を取って、ハンドルやボタンに触れる。

 

娘がボタンを押すたびに音が鳴る。
娘は自然と大きな笑顔になる。
キャッという声も出る。

 

つい10分前には、私を見ると義母の陰に隠れていた。
それが、乗り物に乗ることで笑顔になった。

 

遊戯の乗り物は、3分ほどで終わってしまった。
私は、乗り物から降りた娘に話しかけた。

 

ヤマト
「次はどれに乗ろっか?
あっちにもアンパンマンがあるよ。
他には、新幹線もあるよ」

 


「あのアンパンマンに乗りたい」

 

ヤマト
「よし、じゃあ行こうか」

 

私は、娘に手を差し出した。
娘は、自然と私の手を握ってきた。
小さくて細い指が、私の指をしっかりと握ってきた。

 

それからは、他のアンパンマンや新幹線の乗り物に乗った。
娘は、手を振ったり走りまわったりしていた。

 

あっという間に40分ほど経過した。
娘は常に笑顔だった。

 

最後に、私と娘はベンチに腰掛けた。
義両親も近くで見守っている。

 

義両親は、娘の成長についての考えを話してくれた。

 

前回の面会交流で私と娘が夢中になった立体パズルを買ったこと。
もうすぐ、公文式や体操を習わそうと思っていること。
将来は、私立の小学校や中学校に入ることを考えていること。

 

私は普段の娘のことを直接見ることはできない。
もちろん、普段の成長っぷりを見ていない分、今後の教育方針にメインで関わる権利も無い。

 

しかし、普段一緒に生活しているの元妻側が、こうした教育方針などを教えてくれるのはありがたいことだ。
親としては今後のことが気になるのは当然だから。

 

面会交流の1時間はあっという間に過ぎた。
最初の10分こそ娘の緊張が見られたが、その後はずっと笑顔だった。

 

最後に、義父が話しかけてきた。

 

義父
ヤマトさん。
「先ほどお話しした離婚の現実を娘にどう説明すべきかどうかという点ですが、ヤマトさんもぜひ考えてください。私たちも考えてみますので」

 

ヤマト
「わかりました。
娘にとって最も良いと思える様にしてあげることが、最優先だと考えています」

 

私のこの言葉に、義両親は大きく頷いていた。

 

私と妻側には、それぞれ考え、感情、都合があるはずだ。
だが、それでも双方は、娘の良い成長を願う気持ちは一緒だ。

 

最後に義両親が大きく頷いたのは、娘を想う気持ちは双方一緒だということを認識できたからだろう。

 

今後の面会交流もそうだが、娘に対する離婚という現実の説明も、双方の協力が無ければ娘の納得は得られない。双方の協力が無ければ、娘は現実を理解して乗り越えていくことは難しいだろう。

 

3歳までは、会って楽しければOKだった。
しかし、物事を理解しだすと、求められるものが異なってくる。

 

子供が成長するにつれて感じ取る疑問・質問に真正面から向き合うことで、親子の信頼が作られていくのだろう。それが、今後の面会交流が有意義かどうかの分かれ目になるかおしれない。

 

ちょうど1時間で解散となった。

 

娘とバイバイの挨拶をする時も、娘は笑顔だった。
義両親と手を繋いで帰っていくときも、時折こちらを向いて笑顔を見せてくれた。

 

娘の笑顔がかわいい分、
別れはとても寂しいものだった。

 

3回目の面会交流を終えて

帰りの新幹線で今日の面会交流を振り返った。

 

義両親は、面会交流にとても積極的だ。
初回よりも2回目。2回目よりも3回目。
回を追うごとに、私への対応も暖かいものを感じる。

 

もちろん、心の奥底には感情があるだろう。
時折、言葉に出てはいる。

 

だが、全体を通してみればとても良心的だ。
面会交流も義務的に行っている感じでもない。

 

面会交流は今日で3回目だが、毎回私は娘に積極的に話しかけている。
例え、最初は娘が人見知りをして私を向いていなくても、だ。

 

そして、毎回試行錯誤の末、途中から娘は笑顔になる。
笑顔になるのはもちろん、声を出して喜んでいる。

 

父(私)と会って娘が喜んでいる。
義両親はその姿を見て思っているのだろう。
娘にとって、この面会交流はプラスになっている、と。

 

だからこそ、夫(私)に会わせることに積極的になっている。
面会交流で娘が笑顔になる⇒次の交流もぜひ前向き、という良い流れができている。
この好循環は続けていかなければならない。

 

ただ、娘にとって最も重大な問題が生じ始めていることは認識できた。
3歳の昨年までは、この面会交流は娘にとっては「知らない人に会うという」とイベントだったのだろう。

 

だが、もう4歳を迎えるという年齢では、娘も子供なりに感じる事が出てきている。

 

父と母が一緒でない状況を疑問に思う。
当然避けては通れない問題だ。

 

曖昧に説明を逃げると、子供は自分の殻に閉じこもってしまう。
ここをきちんと対応・説明することも、親としては大事な仕事だ。

 

では、どういった説明が良いのだろうか。

 

これからはより複雑な状況での面会交流となる。
しかし、それは父親としてしっかりと受け止めていかなければならない。

 

全ては、娘の心の健全な成長のために。

 

 

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