離婚問題の相談と解決法

離婚調停では、どの様な内容をどういう順番で話すのか?

投稿日:2019年7月13日 更新日:

離婚調停で話し合う内容とは

離婚調停は、その名の通り離婚全般について話し合う。
離婚に合意するかどうか婚姻費用、財産分与慰謝料親権面会交流など盛りだくさんだ。
だが、これから調停を行う人は、疑問が浮かぶ。

 

最初は何について話し合うのか。
どんな順番で話し合って行くのか。

 

話す順番を理解することは重要だ。
対策や準備がしやすくなる。

 

離婚調停は、調停委員が上手く話を誘導してくれる。
だいたい、みな同じ流れを辿ることになる。
おままかな流れは次の通りだ。

 

  1. 婚姻費用
  2. 離婚に合意するかどうか
  3. 離婚条件(親権や財産分与)

※図 離婚調停の図

では、具体的な進め方について説明する。

 

調停での話すこと①

婚姻費用

離婚調停を行う夫婦の多くは、既に別居している状態だ。
したがって、まずは婚姻費用を決めることになる。

 

婚姻費用は、別居中に夫が妻に支払う生活費だ。
双方の年収と子供の数から、裁判所のHPに掲載されている算定表で簡単に求まる。

 

婚姻費用は1~2回の調停で決まる。
算定表で大まかな数字が決まるので、あとは調整のみだ。
もし調停で金額が合意できなければ、審判で強制的に決められる。
(審判とは、担当裁判官による決定のこと)

 

婚姻費用は、請求した時期にまでさかのぼって支払うことになる。
請求から数ヶ月経っていると、大きな金額となってしまう。

 

妻が勝手に家出しても、支払わなければならない。
もし支払いを拒めば、給与が差し押さえされてしまう。

 

婚姻費用は男性にとって大きな負担となる制度だ。

 

調停での話すこと②

離婚に合意するかどうか

婚姻費用と同時並行で、離婚に合意するかどうかも議論することとなる。

 

一方が離婚したくて調停を申し立てたので、呼ばれた側が離婚に合意するかどうかを問われる。
もし離婚に合意するなら、すぐに離婚条件の話し合いに進む。

 

だが、事はそう簡単に進まない。
多くの場合、調停を申し立てられた側は離婚に拒否する。

 

当然だ。
もし離婚に合意する考えなら、わざわざ調停なんか行わない。
離婚に合意できないから調停にまでもつれ込んでいるのだ。

 

この時、離婚したい側は、いろんな手を使って離婚の合意を迫る。

 

まず、復縁の可能性を決して見せない。

 

直接話さず、全て弁護士を通す。
当然会おうともしない。
理由を付けて子供に合わせない。
強い文面で離婚を迫る。
高めの婚姻費用を要求する。

 

その一方で、離婚条件は相手に優位になることをほのめかす。

 

財産分与や養育費を有利にしてくる。
今の家にそのまま住むかどうかを合わせる。
離婚後の面会交流の回数・時間の希望を、こちらに合わせようとする。

 

一方、離婚を迫られている側は、復縁への期待を込めて調停にやってくる。
もちろん、離婚に合意する気なんてさらさら無い。

 

調停委員を介せば、相手は復縁を考えなおすと期待している。
調停委員が復縁を促してくれるかもしれないとも期待している。

 

しかし、相手の離婚の意思がゆるぎないこと聞かされる。
改めて現実を認識するのだ。
期待が大きい分、絶望も大きい。

 

だが、離婚調停を2,3回も行う頃には、別居生活にも慣れてきている。
長年付き添った相手と離れ離れに生活することにも慣れてきている。
最初はあれほど寂しかったのに、だ。

 

同時に、婚姻費用の支払いも辛くなってくる。
一緒に住んでいない相手に毎月数万~10数万円を支払い続けるのだ。
住宅ローンを支払っていたら赤字になってしまう。
離婚に合意すれば、婚姻費用から解放されることを意識する。

 

妻がいない一人での生活への慣れ。
婚姻費用による金銭的プレッシャー。

 

この二つにより、迷いが出てくる。
『離婚も仕方ないかな』と思い始める。
そして段々と、『どうせ離婚するなら有利な条件で離婚したい』という考えが大きくなってくる。

 

そうしてほとんどの夫婦は、離婚調停2,3回目の頃には離婚合意となる。

 

離婚に合意できれば、次の議論へ移っていく。
それは、離婚条件だ。

 

調停での話すこと③

離婚条件について

離婚に合意できれば、次は離婚条件について話し合う。

 

話し合う項目はいくつもあるが、大きくお金と子供に分けることができる。

 

【お金関係】貯金や不動産の財産分与、慰謝料、養育費
【こども関係】親権、面会交流

 

これらの項目は、どれから先に話すかの決まりはない。
したがって、調停委員の誘導に従って一つ一つ決めていくことになる。

 

(お金関係①)財産分与

財産分与は、40歳以下の若い夫婦だと、あまり揉めない。
揉めるほどの財産がないからだ。

 

一方、50歳以上の熟年離婚は揉めやすい。
婚姻期間が長ければ、その間に蓄えた試算も大きい。
また、老後の生活がかかっているので決して引けない。

 

不動産が複数ある場合などは大変だ。
売るか残すか、不動産価格の査定、具体的な分け方などで揉める。
大きな金額が動くので、これも大変揉める。
不動産だけで2,3回は調停で話すことになるだろう。

 

問題は、相手が貯金を隠したり通帳を見せてこない場合だ。
裁判所は、相手の貯金の在り処を探してくれない。
相手が貯金を隠してしまったら、自ら探し出さなければならない。

 

(お金関係②)慰謝料

離婚原因を作った方が、相手に支払うお金だ。
だが、慰謝料を請求するには証拠か自白が必要だ。

 

明確な証拠があれば後は金額の問題だが、個人レベルで明確な証拠は集めるのは限界がある。
なので、状況証拠を基に自白を迫るのが一般的だ。

 

慰謝料の金額は、数万円~100万円ほど。
経済状況や悪質度によって変わる。

 

また、慰謝料名目で支払うのを拒否した場合、『解決金』という名目で設定する場合もある。

 

(お金関係③)養育費

養育費は、婚姻費用と同様に算定表から求められる。
婚姻費用と異なり、妻への生活費が不要となるため婚姻費用より低い。
だいたい5~7割くらいになる。

 

ただ、何歳まで支払うかや、成長した時の金額、突発的な出費があった場合などの負担割合などの調整が必要だ。

 

この養育費は長期にわたって支払われるため、総額は大きくなりやすい。
子どもが5歳だとすると、残り15年支払うことになる。
すると、毎月5万円だと15年間で計900万円にもなる。
対して、もし1万円少ない4万円にすると計720万円となり、180万円も少なくなる。

 

少しの金額の差で、総額は大きく変わってくるのだ。

 

(子供関係①)親権

親権は、30代~40代の夫婦がよく揉める。
だが、実際には9割以上は母親が親権を獲得している。
現実は、特段の問題が無ければ、裁判所は母親に親権を与えているのだ。

 

(子供関係②)面会交流

面会交流とは、同居していない親が定期的に子供と会う機会のことだ。
多くの場合、子供は母親と過ごすので、父親が面会交流を望むこととなる。

 

裁判所は、面会交流を強く推奨している。
『子供にとって父親と会うことは成長する上で利益になる』と裁判所は考えているのだ。
仮に母親が面会交流の設定に難色を示していると、調停委員が説得する。

 

離婚条件がまとまると…

離婚条件が決まれば、晴れて離婚成立となる。
裁判官が読み上げる調書の内容を確認するだけ。

 

役所に離婚届を出す必要はない。
裁判所を出た頃は、既に独身に戻っている。

 

まとめ

離婚調停は、闇雲に主張し合う場ではない。
話し合う内容は決まっている。
婚姻費用、離婚に合意するかどうか、そして離婚条件。
調停委員の誘導によって、順を追って話をしていくことになる。

 

最初は、婚姻費用と離婚に合意するかどうかで、2~3回ほど。
離婚条件については、揉めなければ1回だが揉めると3回以上もあり得る。

 

最も短い場合は、2~3回ほどで離婚成立となる。
離婚を拒否し続けたり財産で揉めると、5~10回となることもある。

 

一方、離婚に合意できない場合は、2~3回で調停は打ち切りとなる(不調)。
そうなると、完全な泥沼離婚だ。
離婚したい場合は、離婚を求めて裁判を起こすしかない。

 

常に、自分がどの位置にいるかを認識しながら調停を乗り越えよう。
話し合う内容を事前に理解しておくだけで、調停に対するプレッシャーはかなり軽減されるはずだ。

 

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