離婚調停体験記

離婚調停体験記 第17話|第3回離婚調停

投稿日:2019年6月6日 更新日:

妻が出ていって5か月

今日は3回目の離婚調停です。

今日は、『婚姻費用算出には、私の不動産所得は加えるべきではない』と主張することに全力を注ぐつもりです。
そのための材料は、過去の東京高裁の判例です。

 

婚姻費用を計算するにあたっては給与収入のみを考慮し、不動産収入は考慮しない

(東京高裁昭和57年7月26日決定、家裁月報35巻11号80頁)

 

3回目ともなると、もう裁判所に着いてドキドキすることはなくなりました。

いまは、目の前の調停に集中できています。
最初の頃は、家を出るときからドキドキしていたのに。

 

第3回離婚調停(前半)の会話内容を公開

調停委員(女)
「さて、婚姻費用を決めていきましょう。
まず、奥様の直近の給与明細と雇用条件書をお渡しします。
奥様は転職なさったそうです。
年収は、31万×12か月=372万円。
そして、『賞与は基本的に無い』と口頭で言われているそうです。
したがって、奥様の年収は372万円という主張です」

ヤマト
「転職したのですか。
雇用条件書には「賞与は年二回」と書いてあります。
したがって、「賞与無し」として年収を計算するのは不適切だと思います」

調停委員(女)
「奥様の弁護士に言ってみます。

それで、ヤマトさんからの『婚姻費用についての陳述書』と『東京高裁の判例』、届いております。

ところで、前回の調停で部長裁判官がお話しされていましたが、投資用不動産の減価償却の資料はお持ちになられていますか?」

ヤマトの心の中
(さて、来たな。
少し頑固な印象を与えてしまうかもしれないが、今日のところは強引に『出さない』と主張し続けよう。
しかし『出さない』ことが目的ではなく、
『判例と異なる結論なら東京高裁へ抗告する』ということを強くアピールするのが目的だ)

ヤマト
「私の主張は、提出した判例のとおり不動産収入は年収に入れないというものです。
したがって、減価償却の資料は必要無いなので出しません」

調停委員(男)
「前回の調停で部長裁判官は出してくださいと言っていました。
それでも出さないということですか?」

ヤマト
「出しません。
判例の通りであれば、この資料無しで結論を出せるはずです。

もし出すとしたら、東京高裁で出します。
調停や審判で私の主張と異なる結論が出た場合は、東京高裁に抗告します。
東京高裁で、判例の内容と同じ審判を取りにいきます!

調停委員(男)
「出せない理由があるのですか?」

ヤマト
「出せない理由などありません。
毎年税理士にチェックしてもらっています。
『出せない』のではなく、『出さない』のです。
私の不動産収入は、プラスとかマイナスとかゼロとかではなく、として扱ってください」

 

私はこの時、不動産の減価償却の資料を出さないことを強めに主張しました。

しかし、調停委員よ。分かってください。

 

私は、出したくないとか出せないとかではなく、裁判官に『判例通りでなければ、ヤマト氏は東京高裁に抗告する気だ』と印象付けるためなのです。
そうすることで、裁判官は判例通りの結論を出さざる負えなくなるはずなのです。

 

私が出そうとしないのは、
裁判官を説得するための演技なのですよ!

 

調停委員(男)
「どうしても出さないのですね。裁判官に伝えます」

調停委員(女)
「離婚については、現時点ではどうお考えですか?」

ヤマトの心の中
(さて、これも重要な点だ。
現時点で経済的に私が優位な条件を引き出すためにも、相手が現時点でどう考えているか直接聞いてみようか)

ヤマト
「私は、引き続き復縁希望です。
しかし、このまま話が平行線が続いても、いつか結論を出さなければならないでしょう。

妻に対する気持ちとして一番ふさわしい私の想いは感謝です。
現時点で妻が離婚希望なら、離婚拒否だけが私の選択肢ではありません。

そこでもし、妻が条件などを考えているのであれば聞いてみたいと思います。
一度、妻側弁護士と同席して話すことは可能でしょうか?」

調停委員(女)
「奥様の弁護士は拒否しないでしょう。
裁判官にも相談してみます。
一度、待機室でお待ちください」

 

待合室で待たされること約10分。
再び調停委員に呼ばれて部屋に入りました。
妻側弁護士3人が座っています。

 

狭い部屋に、
調停委員2人、
妻側弁護士3人、
そして、ヤマト。
この風景だけ見ると完全に劣勢です。

 

机を挟んで妻側弁護士3人と対峙しました。
妻側弁護士たちは余裕の表情です。
少し笑みも浮かべています。
余計なことを言ってしまったら、相手の容赦ない攻撃が待っているでしょう。

 

この同席での議論の目的は、
・相手が離婚条件を提示してくるかどうか
・裁判することへの本気度
を確認することです。

 

第3回離婚調停(後半)の会話内容を公開

私が椅子に座った瞬間、調停委員が言いました。

調停委員(女)
「では、始めてください。
ただし、くれぐれも話し合いの場であることを忘れないでください」

ヤマト
「私は、妻の『離婚したい』という主張には納得できません。
しかし、このまま話が平行線では何も解決しません。
申し立てからかなりの時間が経っていますが、離婚の条件などは考えているのですか?
条件によってはこちらも検討してみますが」

妻側弁護士M
「そんな離婚に応じるかどうかわからない状況では、条件の話を進めることはできません」

ヤマト
「そうですか」

ヤマトの心の中
(さすがに、簡単には条件を出してこないか…)

妻側弁護士T
「もうさっさと不調にして、裁判を始めたいんだがなぁ~」

ヤマトの心の中
(こんなに簡単に裁判を主張するのか。
裁判だけは絶対にイヤだ。
こんな事に1年以上も時間をかけたくない)

妻側弁護士M
「ヤマトさん。
婚姻費用についてはどう考えていますか?」

ヤマト
「まず、妻の年収には賞与の額を含めるべきです。
雇用条件書に、『賞与支給』とあります。
前職で年間180万円ほど得ていたので、その半分の90万円ほどは含めるべきでしょう。
そうでなければ、話を進められません」

妻側弁護士M
「奥様は上司から『賞与は出ない』と言われているので、賞与を含めるなどできません」

妻側弁護士T
「それより、あなたさん、早く不動産収入の分かる資料を全て出したらどうかね!」

ヤマト
「私の主張は『不動産所得は含めない』というものです。
ここでは出しません。
出すとしたら、東京高裁で出します」

妻側弁護士T
「やましいことでもあるのかね。
やましいことがなければ、さっさと出したらどうかね?」

ヤマト
「繰り返しになりますが、今は出しません。
東京高裁で出します」

妻側弁護士T
「全く話が進まないではないか。
調停委員さん、もう不調にして下さいな」

裁判で決着付けよう!

裁判しかないね!

もう裁判だ!

裁判だあぁー!

 

ヤマトの心の中
(こ、この爺さん、なんて強気なんだ。
ただの脅しだよな!?
私は裁判なんて絶対したくない。
けど、あまりにも「裁判」を連呼されると気持ちが萎えてくる。
心を強く持たなければ…)

調停委員(男)
「まぁまぁ、私に免じてもう一度だけ調停に来ていただけませんか?」

妻側弁護士3人
「…」

調停委員(男)
「では、今日はここまでです。
ヤマトさんは、離婚調停を不調にしても良いかと、不動産の減価償却の資料をどうしても出さないのかを、もう一度考えてきてください」

 

こうして、第3回の調停は終わりました。

 

私は、かなりの覚悟を持って調停に臨んだつもりでした。
しかし、何度も裁判を繰り返し言われると、心が弱ります。

 

同席での議論中、
何度も逃げ出したくなりました。
さっさと離婚に合意して早く楽になりたいという考えが、何度も頭をよぎりました。

 

しかし、心が揺れるたびに、
歯を食いしばり、
机の下で自分の太ももをつねって、
気を強く持ち続けました。

 

相手が余裕の笑みを浮かべても、
決して下を見ることなく、
相手の目を見返していました。

 

もう疲れました。
離婚の議論をし続けるには、
よほど強い精神力でないと耐えられません。
大量のエネルギーを消耗します。

 

家に帰ると、
どっと疲れが出て、
そのまま深い眠りにつきました。

 

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