離婚調停体験記

離婚調停体験記 第25話|財産分与対策①(ヤマトの財産公開)

投稿日:2019年6月14日 更新日:

妻が出ていって8ヶ月半

※このページは難解です。
分からない部分はさっと目を通すだけで、本筋の理解にほとんど影響ありません。

6回目の調停から帰宅後、すぐに全財産の把握と財産分与対策を考えました。

 

ヤマト家の貯金額

婚姻期間中は、おおむね以下の様な収支状況でした。

<毎月の家計収支>
収入支出

ヤマト手取り

40万円

家賃

15万円

妻手取り

20万円

食費

5万円

 

 

電気光熱費

3万円

 

 

雑費・交際費

5万円

 

 

保育園費用

5万円

 

 

夫小遣い

8万円

 

 

妻小遣い

7万円

 

 

家庭用貯金

12万円

合計

60万円

合計

60万円

 

<賞与時(半年に1回)>
収入支出

ヤマト手取り

20万円

妻手取り

20万円

家庭用貯金

40万円

 

【同居期間4年間での収支合計】

(収入)
①家庭貯金:12万×48ヶ月+40万×8回≒900万円
②ヤマト小遣いからの貯金:160万円
③投資用不動産の家賃収入:300万円
④妻から不動産投資用に預かった:200万円

(支出)
⑤臨時支出(引越、家具、旅行):300万円
⑥投資用不動産の頭金:1,150万円

 

【婚姻直前と別居時】<ヤマト名義の貯蓄額の変化とその資金使途>
婚姻期間中のお金の使途

 

婚姻直前の金額570万円は、私が独身時代に貯めた貯蓄です。

貯蓄額合計とは、私の独身時代の貯蓄と、婚姻中にヤマト名義として貯めた貯蓄の合計です。

 

資金使途とは、貯蓄額合計の資金使途の内訳です。
貯蓄は私名義で、婚姻中に約1,500万増えましたが、そのうち不動産の頭金や臨時支出(旅行や引っ越しなど)に使ったので、現金として残っていたのは700万円程でした。

 

婚姻前に570万円ありましたが、それらはその後に増えた貯金と共に投資用不動産の購入に充てています。
したがって、婚姻期間の4年間で貯めて貯金として残った額は約700万円となります(図の別居時貯金)。

 

上記とは別に、妻名義で増えた貯金は100万円でした。

 

婚姻期間に合計800万円増えている計算になりますので、一人当たり400万円の所有権があります。
妻が、自身の口座で増加分100万円保有しているので、現金に関しては私から妻へ300万を支払うことになります。

 

貯金のお額はあまり増えてないように見えます。
しかし、預金の大部分は投資用不動産に形を変えて存在していることになります。

 

ヤマト家の投資用不動産の資産

※この部分は読み飛ばしても本筋の理解に影響ありません。

投資用不動産不動産の財産分与の議論はとても複雑になりそうです。
そのため、4つのステップに分けて考察していきます。

<4つのステップ>

<1>投資用不動産を、保有継続か売却清算かを決める。
<2>評価額を決め、分与対象額を定める。
<3>双方の取得額を求める計算方法を決める。
<4>頭金の拠出割合や経営への貢献度などを反映させる。

 

それぞれの詳細を説明します。

<1>投資用不動産を、保有継続か売却清算かを決める。
投資用不動産を引き続きヤマトが継続保有するか、売却して現金を分けるかを決めなければなりません。
もし売却となると、手元に残った現金を分けるだけなので議論は簡単になります(もちろん、どの様な比率で分けるのかは議論が必要です)。

しかし私は、売却には反対です。

不動産投資を始めたころは資産形成が目的ではありました。
しかし、今は完全に私の趣味になっているのです。

 

実際には、売却の話は一切出ませんでした。
(もし妻側弁護士が売却清算を強硬に主張してきたら、離婚条件を話し合う議論はすぐに打ち切る覚悟でした。)

 

<2>不動産の評価額を決め、分与対象額を定める。
私が保有を継続するとなると、分与対象となる不動産の評価額を決めなくてはなりません。

ここで、ヤマト保有の投資用不動産の概要です。

保有不動産の概要

保有している投資用不動産は、アパート3棟です。
購入額は計8,500万円で、この時点でのローン残高は約6,700万円です。

 

不動産の財産分与の対象額(以下、分与対象額)は、評価額から離婚時融資残高を差し引いた額となります。

 

分与対象額=評価額-離婚時融資残高

 

離婚時融資残高は銀行との契約で決まった数字になっているので、評価額がいくらになるかで分与対象額が変わります。
仮に不動産の評価額を購入額と同じ8,500万円であるとすると、ローン残高6,700万円を差し引いて、分与対象額は1,800万円となります。

 

ここで、不動産の評価額をどうやって決めるのかが問題となります。
不動産の評価額を決める基準は色々あります。

 

高い評価額が出るのは、不動産会社による査定です。
仮に売りに出したらいくらで売れそうなのか、と値段です。
この不動産会社の査定を取る方法が最も多いです。

 

次は、不動産鑑定士による鑑定額です。
取引額や土地・建物の価値を詳細に分析して価格が決定されます。ただし、数十万円の費用がかかります。

 

次が、固定資産税評価額です。
これは、固定資産税の元となる金額で役所が決めた価格でありますが、実勢の価格よりも低く設定されていることが多いです。

 

財産分与を行う上で、清算時は私が妻に金額を支払うことになります。
そうであれば、私は評価額をできるだけ低くしたいと考えています。
一方で、妻側はできるだけ高くしたいと考えるはずです。

評価額をいくらに決めるのかは非常に重要なことが分かります。

 

<3>双方の取得額を求める計算方法を決める。
分与対象額が決まると、その金額をどう分けるかを決めなくてはいけません。
単純に折半にするという場合もありますが、頭金の拠出割合などから単純に決まらない場合があります。

・頭金を、夫(もしくは妻)が婚姻前に貯めた貯金から出した。
・購入時に、夫(もしくは妻)の両親から資金提供があった。
・別居後は、夫(もしくは妻)の片方がローンの返済を続けていた。

この様な複雑な場合のために、離婚調停や裁判でよく使用される計算式があります。その計算式を用いると、複雑な場合でも双方の取得額を簡単に決めることができるのです。
おそらく妻側弁護士もこの計算式を知っているでしょうし、計算方法としては納得できるものです。ただ、事前に妻側弁護士とその計算式を使うことに合意する必要があります。
※具体的な計算式は第二十八話で説明します。

 

<4>頭金の拠出割合や経営への貢献度などを反映させる。
ヤマトの保有する不動産は全て収益不動産です。完全に私一人で経営を行っており、妻の直接的な貢献は全くありませんでした。したがって、私の経営への貢献度をしっかりと主張することにしました。
また、複雑な資金の流れのためそれぞれの不動産の頭金の拠出割合なども議論の対象となるでしょう。
※この詳細は第三十話で説明します。

 

財産分与考察のまとめ

以上の考察から、何も考えないで財産分与の総額を決めると以下の様になりそうです。

 

妻の取得額合計:預金300万円+不動産分与額

※ヤマト家の資産はほぼすべて私名義で管理していますので、私が妻に渡すことになります。

 

不動産の分与対象額が高額になると、手持ちの現金では足りません。
このまま何もしないのでは、大変なことになってしまいます。

 

なんとか対抗策を考えるべきです。
そこで、頭金の拠出額は私が多かったということや、経営は私が100%行ってきたことを主張して私有利に進めていくことにしました。

 

ここで、不動産の財産分与のフローチャートを振り返ってみます。
それぞれの時点において、財産分与を有利に進めるためのポイントをまとめました。

 

<1>投資用不動産を、保有継続か売却清算かを決める。
投資用不動産はヤマトが継続保有する。これが認められない場合は、離婚条件の議論を打ち切ると主張。

<2>不動産の評価額を決め、分与対象額を定める。
評価額を小さくなるように当初は、固定資産税評価額などを基準と主張。妻は、不動産会社の査定を取ることを主張すると思われる。

<3>双方の取得額を求める計算方法を決める。
家庭裁判所で使用されている計算式を主張。

<4>頭金の拠出割合や経営への貢献度などを反映させる。
ヤマトの不動産経営への貢献度などを主張。

 

ヤマトは投資用不動産を3棟も保有しているため、その分与を決める方法は大変複雑となっています。
もちろん、この考えのまま話が進むとは限りませんが、基本的な考えではあるはずです。

 

何も対抗策を考えないと、妻に莫大な金額を分与するのことになりそうです。

 

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