離婚調停体験記

離婚調停体験記 第29話|第8回目離婚調停

投稿日:2019年6月18日 更新日:

妻が出ていって11ヶ月

離婚条件についての議論がかなり白熱してくることが予想されます。
不動産は金額がとても大きいので、どんなに細かいことでも相当慎重に話を進めていかなければなりません。

 

第8回離婚調停(前半)の会話内容

調停委員(女)
「本日から、不動産の分与について本格的な話し合いですね。
ところで、私たちから提案なのですが、妻側弁護士と同席して話し合いをしませんか?
いわゆる同席調停という方法です。

話が専門的すぎて、私たちが双方の意見をうまく伝えられない可能性があるのです。
いかがでしょうか?」

 

※同席調停
調停委員が見守る中、申立人(妻側)と相手方(ヤマト)が直接話し合いを行うこと。

 

ヤマトの心の中
(えぇ!?
妻側の弁護士三人と面と向かって話し合いを進めるのか?
相手のペースに流されたりしないか心配だ?

しかし、議論するべきことは膨大なので、調停委員を介してでは時間がかかりすぎる。
今なら裁判になっても勝てる立場なので、この有利な状況でさっさと議論を進めてしまった方が良いな)

ヤマト
「わかりました。
確かに、その方が話もスムーズに進むかもしれませんね」

調停委員(女)
「それでは、奥様の弁護士にも提案します。
両者OKなら、裁判官に許可を取って同席調停を行います。
待機室でお待ちください」

 

待機室で待つこと約10分。
調停委員が呼びに来ました。
廊下を歩いている時、心臓がドキドキしているのを感じました。

 

部屋に入ると、
調停委員2人、
妻側弁護士3人、
そして、ヤマト。

 

3回目の調停においても同席することはありましたが、時間にして20分ほどでした。
今回は、決着がつくまでとことん議論しなければなりません。

 

不安で不安でいっぱいです。
しかし、逃げることなど許されません。

 

ヤマトが着席するなり、私と妻側弁護士はお互い会釈します。

 

第8回離婚調停(後半)の会話内容

調停委員(女)
「では、くれぐれも落ち着いてお話下さい。」

ヤマトの心の中
(まずは、不動産は私の特有財産だと主張しよう。
おそらく妻側弁護士は認めないだろう。
『妻の家事・育児での貢献』を理由に共有財産だと主張してくるだろうが…)

ヤマト
「まず、1棟目と2棟目の不動産は私の特有財産だと主張します。
入籍前の私の貯金で買いましたし、購入も私のみの判断で行いました。」

妻側弁護士M
婚姻期間中の購入であることと、購入資金が家庭用口座と完全に分離されていないことから特有財産という前提には無理があります。
また、ヤマトさんが不動産経営で家を空けている時も、奥様は妻として家事をしていた。
以上のことから、特有財産とは認められない。」

妻側弁護士T
「あなたが不動産経営に夢中でいられたのも、奥様がご飯作ったり、掃除したり、育児をしたりしていたからだとは思わないのかね?」

調停委員(男)
「話を聞いている限り、婚姻期間中の購入という点で、裁判しても共有財産となるでしょう。」

ヤマトの心の中
(予想通りの反論。
私が相談しているk弁護士も、共有財産になるだろうと言っていた。
しかし、ここでしぶしぶ共有財産であると認めたことは、今後の議論で必ず効果を発揮する。

妻側弁護士が今後『奥様は家事をすることで貢献していた』と主張しても、私は『だからこうやって共有財産として議論に応じてあげている。その主張は新しい材料にはならない』と反論できるのだ)

ヤマト
「わかりました。
婚姻期間中の購入であることと、妻の家事などの貢献もあったことは認めます。
共有財産であることには合意しましょう。

ところで、不動産の分与はどういう方法で決めていきましょうか?」

妻側弁護士M
「まずは、不動産の評価額を決めましょう」

ヤマト
「そうですね。
評価額を決めて、そこから融資残高を差し引けば、分与対象額が決まります。
そうして出した分与対象額を、どう分けましょうか?」

ヤマトの心の中
(さぁ、ここからは重要だ。私の想定通りに進めることができればいいが…)

妻側弁護士M
「分与対象額が決まれば、頭金とローン返済から双方の取得額が決まる計算式があります。
その方式を使いましょう」

ヤマトの心の中
(!?
妻側からその計算式を提案をしてくるとは。
こちらから提案しようとしていたのに。

妻側弁護士は、この不動産の分与を通常の離婚調停のように考えているだけに違いない。
時間の経過を意識したシミュレーションをしていないな。
今回の調停は不動産の分与額が大きくて考え方も複雑なので、相当長引く可能性がある。
その計算式は、時間の経過とともに私に有利になることに気づいていない)

ヤマト
「同居期間の返済総額、別居期間の返済総額、そして頭金の拠出元とその金額から、双方の取得額を求める計算式のことですね?」

妻側弁護士3人
「そうそう、それです!」

ヤマト
「その計算式を使うことに同意します。
ただ、私の経営への貢献度をどこかに反映させたいですね。
不動産の評価額が高額になる場合は、私の特殊能力に拠るところが大きいという理由から私の取得割合は当然大きくなって当然だと認識しております。
それは、今後主張しますね。

ところで、不動産の評価額はいくらにしましょうか?」

妻側弁護士M
「ヤマト氏にもお送りした査定を使います。
3棟合わせて1億2,000万円を主張します」

ヤマト
「私は、固定資産税評価額の約4,558万円を主張します」

妻側弁護士T
「あなたねぇ、それは安すぎでしょう。
あなたも査定を取りなさいよ」

ヤマト
「私は不動産経営を4年もやっているのです。知り合いの不動産屋などたくさんいます。
私が不動産屋に任意の金額での査定書を作らせるなど、とても容易いことです。
その手間が面倒なので、このように主張しているのです。」

妻側弁護士T
「じゃあ、裁判所に頼んで、裁判所の依頼する鑑定士に鑑定してもらうしかないな」

ヤマト
「…」

ヤマトの心の中
(それは、マズい。とてもマズいぞ。

不動産鑑定を依頼すると、収益不動産の場合は取引価格を基準に決まることが多い。
となると、査定書の1億2,000万円や、これ以上の価格が出てしまう可能性も…。

うーん、困った。どうしよう)

妻側弁護士T
「いい加減、もう少し価格を上げなさい!
せめて、購入価格にするとか!
そして、我々の査定額との中間を評価額と決めるとか…」

ヤマトの心の中
(えぇ!?
購入価格でいいのか?

購入価格は、8,500万円。
相手の主張は1億2,000万円。
その中間は、1億250万円か。
相場よりかなり安い。

現時点での融資残高は約6,700万円なので、分与対象額は約3,550万円となる。
最悪折半となっても、妻の取得分は最大で1,775万円。
当初は2,000~3,000万円程の財産分与額を覚悟していたので、かなり抑えられる!

さらに今後の議論で、頭金の拠出額と経営への貢献度を主張することで、妻の取得分をさらに引き下げることも可能だ!

これは、これで手を打っておくべきだ!)

ヤマト
「う~ん、私の主張を購入額の8,500万円とするのか。
妻側の主張は1億2,000万円。
これの中間の1億250万円を評価額とするのですね。

各不動産に当てはめると、それぞれの評価額は、
第1号は3,950万円
第2号は2,925万円
第3号は3,400万円ですね?」

妻側弁護士M
「そうです。それでどうでうすか?」

ヤマト
「わかりました。これで合意します」

 

この時点で、投資用不動産の分与対象額は3,550万円で合意できました。
さらに、貢献度を加えるとすると、妻の取得額はこの半分未満になり得るのです。

 

ヤマト
「続いて、双方の取得額を決めましょうか。
計算式に当てはめるのであれば、各不動産の双方の頭金の拠出額を決めましょう。
頭金は3棟合計で1,150万です。

このうち、お渡ししてある資料にもありますが、私は入籍前に570万円の貯金があり、これは全て頭金として使われています。
残り580万円は、妻からの資金と家庭用貯金です」

妻側弁護士M
「奥様は『毎月2人で家庭用貯金12万と投資用貯金10万を貯めてきた』と言ってます。
3棟目の購入までに入籍から2.5年あったとすると、賞与5回分も合わせて共有財産は860万円貯めていたことになります。
このうち100万を家具や旅行で使ったとしても750万あります。

これをまず頭金として拠出したことにし、残り400万円を夫と妻が半分ずつ拠出することにすべきだと主張します」

ヤマト
「投資用で毎月10万円貯金していたというのは嘘です。結婚当初にそんな額の貯金はできません!」

ヤマトの心の中
(完全に嘘ではないか!この主張のために嘘を用意したな!)

妻側弁護士T
「奥様はね、投資用に貯金していたと言っているんだよ!」

ヤマト
「その様な嘘を認めません!」

妻側弁護士3人
「いやいや、いい加減認めなさいよ!」

 

この時、何度も押し問答がありました。
しかし、私は嘘を認めるわけには行きません!
妻側弁護士は3人で主張してきますが、その様な嘘を私は頑として認めません!

 

証拠が無いからと、言った者勝ちの様な態度です。
調停という場で堂々と嘘の主張をするなんて信じられません!
私もつい熱くなってしまっていました。

 

10分以上お互い主張をぶつけ合いましたが、らちが明きません。
仕方ないので、私は貢献度の議論を持ちかけました。

 

ヤマト
「ところで、私の不動産経営への貢献度を考慮する点ですが、良い案を考えました。
不動産分与を求める計算式の中に、同居期間中の融資返済総額の項がありますが、ここに掛け目を入れましょう。

通常は同居期間のローン返済総額に0.5を掛けたものが分子にあります。
ここで、このローン返済総額に寄与度として0.7とか0.8を掛けた数字を私の取得額計算に用いるです。
反対に、このローン返済総額に0.2とか0.3を掛けた数字を妻の取得額計算にします」

妻側弁護士M
「なるほど」

ヤマト
「まぁ、貢献度を考慮することは当然だと思いますよ。
離婚裁判では、特殊能力で財産をたくさん築いていた場合、貢献した人の取得割合が多くなるという判例は星の数ほどありますよね。

結婚生活4年間で3,550万もの分与対象額ができました。
これは特殊能力と言えるでしょう。
不動産経営において、購入物件の選択、不動産屋や銀行との交渉、原状回復工事の依頼、管理会社への指示など、全て私が行ってきました。
妻はこれらに一切関与していませんし、ローンの連帯保証人になることも拒否していました」

妻側弁護士M
「ローンの連帯保証人になることは拒否していません!」

ヤマト
「それは嘘です。妻は、連帯保証人は明確に拒否していました!」

ヤマトの心の中
(どこまでウソをつく気か!
ホント信じられない!いい加減にしてくれ!
こっちは話し合いに応じているのであって、嘘に付き合う気なんて全くない。
最初から妻の主張はおかしいと思ったが、離婚の話し合いは嘘つき放題なんだな)

調停委員(男)
「どっちが正しいのかね?」

妻側弁護士M
「連帯保証人にはなっていませんが、それは結果的になっていないだけです!
最初から拒否していた訳ではありません!」

ヤマト
「いえ、最初から拒否していました!」

ヤマトの心の中
(妻が連帯保証人を拒否したから、私は当初は高い金利で借りるしかなかったのだぞ)

調停委員(男)
「話の途中ですが、もう一時間以上経っています。そろそろ終わりです」

ヤマト
「最後にいいですか。
養育費はどうしましょうか?
婚姻費用と同じ考えでは、毎月6~8万になると思いますが」

妻側弁護士M
「そうですね。その範囲になりますね」

調停委員(女)
「では、本日の調停は終わります。
次回までに、頭金の拠出割合をどうするかと、寄与度について考えておいてください」

 

8回目の調停は終わりました。

 

妻側弁護士と一時間以上同席で議論しました。
いや、議論というより怒鳴り合いに近かったです。
お互い熱くなりすぎて、声は大きくなっていました。

 

もう、疲れました。
精神力の消費がすさまじいです。
なぜ、こんな目に合っているんだ…。

 

しかし、帰りながらふとある思いました。

 

妻は私の投資用不動産に全く興味がなかった。
しかし、妻側の弁護士はどうだ。

 

財産分与の話し合いのためとはいえ、
確定申告や経営の資料を精査したり、評価額の査定を取ったりしている。
妻よりはるかに私の投資用不動産について詳しくなっている。

 

調停では、強硬な主張をしてきたり明らかな嘘をついたりする。
しかし、世界で私の次に私の不動産に詳しいのは妻側弁護士だ。
おそらく、次回に向けてもさらに詳しく調べてくるだろう。

 

この世に、
私以外に私の不動産に詳しい人がいる…。

そう思うと、少しうれしくなりました。

 

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