離婚調停体験記

離婚調停体験記 最終話|第11回離婚調停で離婚成立!そして…

投稿日:2019年6月23日 更新日:

妻が出ていって1年4ヶ月

朝、布団の中で寝ているヤマト。
カーテンの隙間から朝日が差し込んできます。
しかし、朝が弱いヤマトはまだ起きれません。

 

赤ちゃんがキャーキャー言いながら近づいてきます。
寝ているヤマトの上に登ってきます。
よだれを垂らしているのが分かります。
爪で引っ掻いてきたりもしています。

 

目を閉じながらヤマトは思いました。

 

ヤマト
(娘よ。とてもかわいいな。
よだれ垂れ放題で、
爪で顔が引っ掻かれても、
何をされてもかわいすぎる。
成長したらどんな姿になるんだろう)

 

すると、妻の声が聞こえてきました。

 


「もう朝7時よ。
ヤマトも早く起きなさい♪」

 

ヤマト
(早く起きなきゃなぁ。
けど寝ていたいなぁ。

 

 

ん!?

 

んんん!?

 

 

なんで!?
なんで妻と娘の声が聞こえるの!?
もしかして、帰ってきてくれたの!?)

 

ハッとして、ベッドから飛び起きました。
妻と娘の名前を叫びました。
そして、部屋を見渡しました。

 

部屋はガランとしています。
妻も娘も見当たりません。
部屋にはヤマトしかいません。

 

なんだ、夢か…。

 

今日は何の日だ。
最後の調停の日だ。

 

なぜこの日に、こんな夢を見てしまったんだろう。
まだ妻に未練が残っているのだろうか。

 

しかし、いつまでも感傷に浸っているわけにはいきません。
気を取り直して、裁判所に行く準備をしました。

 


 

この日は調停にも関わらず、とても気が楽でした。
離婚の条件はもう全て合意しているので、今日の調停は事務的に離婚を成立させに行くだけなのです。

 

そして、私はこの最後の調停の日が少し楽しみでもありました。

 

離婚調停の成立時には、通常は夫と妻が同室で調書の内容を確認するのです。
つまり、妻と一瞬会えるかもしれないのです。
私は、調停の日がとても待ち遠しく思っていました。

 

一番カッコいいスーツを着ていこう。
髪型も決めて、眉毛も整え、久しぶりに香水もつけよう。
なぜこんなに気を遣うのって!?
最後に妻に会えるのかもしれないのだから♪

 

裁判所に着くと、
いつも通り『相手方』の待機室で待っていました。

 

裁判所の待機室は独特の雰囲気があります。
ほとんどの人は弁護士とひそひそと相談しています。

 

あぁ。
この人達はみんな、争いの真っただ中なんだな。
みんな苦しんでいるんだろうな。
私も裁判所に11回も通うことになるなんて思ってもいなかった。
この1年4ヶ月はとても長かった。

 

ホント人生何がおこるか分からない…。

 

この1年4ヶ月を振り返っていると、調停委員が呼びに来ました。
調停の部屋に向かいます。
既に妻側弁護士から離婚条件については合意したと聞いていた様で、裁判官が調書の内容確認のために部屋で待っているとのことです。

 

あぁ、ついに離婚が成立するのだな。
1年4ヶ月は長かったが、条件はとても満足できる内容だ。

 

しかし、最後の楽しみがある。
離婚調停の閉会式では、妻に会えるかもしれないのだ。
最後だけど、隙を見て一言だけ俺の気持ちを伝えよう。

 

ふふふ♪
なんて言うかはもう考えてある♪

 

調停の部屋の前に着きました。
深呼吸をして、部屋のドアノブを掴みました。

 

ドアを開ける瞬間、
妻に会えると思うと、
無性にうれしくなってしまいました。
もうドキドキが止まりません!
目はキラキラしています!

 

扉を開け、
部屋の中を見渡しました。
7人の姿が見えました。

 

テーブルの真ん中に裁判官1人
その両隣に調停委員2人
書記官が1人
そして、妻側弁護士3人

 

 

あれ!?

 

 

あれれ!?

 

 

妻は!?

 

 

妻はどこにいるの!?

 

 

部屋には妻がいません!
待機室にいるのでしょうか!?

 

最後に妻に会えるかもしれないと思っていたのに。
ヤマトは頭の中が真っ白になりました。

 

呆然と立ち尽くしていると、
裁判官に椅子に座るよう促されました。
そして、心を整理する間もなく、
裁判官による調書内容の確認が始まりました。

 

裁判官の言葉にひとつずつ「はい」と答えていきます。
しかし、心はそれどころではありません。

 

辛いや悲しいを通り越して、
何も考えられません。
もはや涙すら出てきません。

 

放心状態…。

 

あれほど愛し合ったのに…。
愛しい娘も生まれたのに…。
最後に一目見ることも許されないのか…。

 

 

神様・・・!

愛とは、いったい何ですか!?

 

 

裁判官による調書の内容確認が終わると、妻側弁護士が退室しました。
そして、裁判官と書記官も退室しました。

 

部屋には、調停委員2人と私が残されました。

 

調停委員(女)
「今までお疲れさまでした。
しかし、まだまだ未来ある若者です。
これからも頑張ってください」

 

ヤマト
「最後まで妻から直接話を聞く機会はありませんでした。
しかし、妻には感謝しています。
そして調停委員さん、11回もの調停にお付きいただき、大変ありがとうございました」

 

こうして、離婚が成立しました。
愛する人と人生を共にしようと誓ってから、
約5年で終わりを迎えました。

 

日比谷公園

 

裁判所を出て、日比谷公園を歩きながら考えました。

 

人生いろいろだな。

 

妻と知り合って、私は何を得ただろう?

 

結婚生活がいかに幸せかを知った。
毎日が楽しかった。
あれほど遊びまわっていたのに、
結婚してからは早く帰りたくて仕方なかった。

 

アパート3棟を得た。
これはとてもとても大きな資産だ。
これからも大事に経営していこう。

 

妻と知り合って、私は何を失っただろう?

 

私は、大切な女性を失ってしまった…。
心から分かり合えた人と結ばれたのに。
おじいさん、おばあさんになっても、
絶対楽しく過ごせると思っていたのに。

 

今更後悔しても、もう過去には戻れません。

 

しかし、私には娘がいます。
娘は、両親が離婚していることで、
将来悩むことになるでしょう。
辛い思いをさせてしまうことでしょう。

 

そんなとき、
私にできることは限られています。
別々で暮らしているので何もしてやれないかもしれません。

 

それでも、
娘が父を思うとき、
私がとてもとても頑張っていたら、
娘は父を誇りに思ってくれるかもしれません。

 

私の父は、頑張っている。
だから、私も頑張ろう、と。

 

さぁ、私は人生の目標ができました。
娘が世の中を知るまで、
あと10数年しかありません!
過去を悲しんでいるヒマは無いのです!

 

人生一度きり!

このままでは絶対に終わらない!

 

誰よりも、
強く生きてやる!

 

 

ただ、最後に一言だけ…。
妻に言おうと思っていた一言を、
最後に言わせて欲しい…。

 

 

妻よ。

 

あなたに出会えて、

 

私はとても幸せでした。

 

結婚式の準備

 

(完)

 

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